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環境に関わる企業活動におけるデザインやデザイナーの役目
10月15日は、「Blog Action Day」で、今回のテーマは「Environment、環境」ということですので、今日はそれに関連する話題で書きます。
デザインの分野でもプロダクトや空間はもともと「環境」との関係はなじみ深いものがありますが、今回は「環境に関わる企業活動におけるデザインやデザイナーの役目」について、私達PORSASの活動を説明する時に話す内容をもとに(少し概念的で抽象的ですが)書いてみたいと思います。

デザインまたはデザイナーが関わる機会は、広告、広報物、販売促進ツール、ロゴマーク、キャラクター、Web等のグラフィック系Web系、別の表現を使えばコミュニケーション系のデザイン、製品のデザイン、パッケージのデザイン等モノ系のデザイン、オフィス、工場、ショップ、イベント会場等空間系のデザインがありますが、いずれも単純にカタチや色を決めることがデザインの目的ではありません。

らしさのデザイン
一番分かりやすいのは、ECOグッズ等のプロダクトを企画したりデザインすることかと思います。
今、企業レベル、コミュニティレベル、個人レベルでそうした商品が次々と生まれていますし、そこにデザインやデザイナーが関わることは、「らしさを演出」し、「イメージを伝搬」させ、「気分を高揚」させる上で大変大きな役割を果たしていると思います。
また新しい環境の取り組みを始めた企業やECO技術を使った製品の開発などでも「らしいカタチ」等で「らしさ」を作り出すことがあります。
またキャラクターを使って、好意的で親しみやすいイメージを通して「らしさづくり」のプロモーションを行うこともあります。
まず、今まで感心を持っていなかった人々に興味を持たせる・親近感を持たせる・さらに参加意識を持たせるために、また同じ志を持つ人々の共通のシンボルとして、この「らしさのデザイン」は現在結構役に立っているのではと思います。

伝え方のデザイン
広告、広報物、商品パンフレット等、企業や製品のメッセージを分かりやすくまた印象深く伝達する手段の制作は、デザインまたはデザイナーの最もデザインまたはデザイナーらしさが求められる場面です。
それらの制作物は、企業に代わって「企業が発信したいメッセージを伝える手段」となり、その出来次第でメッセージの伝わり方や効果が大きく変わってきます。
特に環境に関わるメッセージは、企業の新しい取り組み方やその姿勢を「より強く伝える」のか、または「さりげなく伝える」のか等の選択を行う場面があります。現在、消費者の声というより「消費者の心」が瞬間的に表に出る時代ですから、消費者の「機微に触れる」「共感をよぶ」ことが出来るかは、デザインの醍醐味です。
また近年は積極的に環境問題・環境対策に取り組んでいる企業は多くありますが、以前よりその企業やブランドが「培ってきたイメージの継続」と「新たな取り組みへの姿勢」の両方を伝えたい意向があることがよくあり、デザイナーの技量が問われます。

見せ方のデザイン
最近どこの企業もCSR(Corporate Social Responsibility)に熱心で、会社案内、CSRレポート、アニュアルレポート等ではよく環境への取り組みが載せらています。
同じ内容であっても、見せ方ひとつで受け手の印象が大きく異なることから、デザイナーが関わってしっかりデザインしているものも増えています。特に数値に関する部分や仕組みを説明する部分は、どう視覚的に表現されているかが重要で、グラフやチャートでは、「分かりやすく見やすい段階」から、いかに「戦略的にプレゼンテーション出来るかの段階」に移ってきたと思います。理想的にはロジカルな表現+印象に残る表現が必要かと思います。

場のデザイン
最近ECOやLOHASに関する団体や活動を調べる機会がありましたが、その数は大小混ぜるともの凄いものがあり、大半はWebを主な媒体にしていたり、さらに「活動のステージ」にしています。あらためて「環境活動とWebとの親和性の高さ」(Blog Action Dayもそうですが)を感じ、「環境は、人々の相互のコミュニケーションの絆」となったり、「環境は、意識を共有・伝搬するための触媒」となるコトなのを実感しました。
それ以来、そうしたWebサイトのデザインは当然表面的なデザインではなく、またWeb2.0的な仕組みづくりだけでもなく、「仕事をする場」「リビングとしてくつろぐ場」「お茶を飲みながら会話を交わす場」が必要で、言ってみれば住宅やオフィス、ショップなどの空間のデザインのような「場をデザイン」する必要があるなとつくづく考えています。

フレームワークのデザイン
ECO製品やECOの技術を使った商品にデザイナーが関わることもよくありますが、その場合よく「らしさ」を求められることがありますが、本来は競合する既存の製品との比較での「らしさ」の追求より、従来ない新しい枠組みの製品が生まれる瞬間に携わることが出来る機会です。(建築家の大江?が言っているデザインによる製品の突然変異)
これは、新素材を使った製品開発についても同様で、他者と違うもの・新しいものという付加価値としてのデザインではなく、本質的な価値のデザイン(従来の製品にカテゴライズされない製品)の誕生に携わることが理想的なあり方かなと思います。
また製品のパッケージでは、環境対策として、3Rのリデュース、リユース、リサイクルの意識が進んでいて現実的な対応が求められていますが、本質的なデザインの目的から言うと、形状・構造の新規性から、さらに生産・流通・消費のサイクルに関わる新しいパッケージの概念が生まれる可能性がある時代だと思います。

価値のデザイン
最近、環境活動をされている方から、環境へのデザインの貢献の例として、「よいデザインのモノは、愛着を持てて、結果的に永く使いますよね」というお話をいただきましたが、これこそがデザインに携わる人間にとって一番の褒め言葉、最もデザインの本質に関わる話かも知れません。
今、デザイナーはじっくり取り組む時期でしょうか。

可能性のデザイン
新しい取り組みを行う場合、異業種の方と仕事を行う場合、別の分野の話や複雑な情報・仕組みでも「デザイン」により可視化する、具体化することで、異なる立場の人も共通のイメージが持てる。現在、いろいろな分野や場面で、職種・年齢・志向が異なる人とコラボレーションをすることで、従来無かったモノや仕組みが生まれてきています。これからの可能性を築く上で「デザイン」がある役目を果たせる。そんな印象を強く持つ今日この頃です。

by k_suzuki
| PORSASのプロジェクト | 14:47 | comments(0) | trackbacks(1) |
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